「森のバター」とも言われ、栄養価が高く料理のアレンジもしやすい食材である『アボカド』ですが、『アボガド』と呼ばれることもあり、どちらが正しい呼び方なのか、疑問に思った人もいるかと思います。
実際に、『アボカド』と『アボガド』の両方の呼び方で検索エンジンにかけてみると、どちらも検索結果として候補がヒットします。
- どちらかが間違った呼び方なのか?
- どちらも正しい呼び方なのか?
- 呼び方に違いがある理由は?
本記事では、『アボカド』と『アボガド』のどちらが正しい呼び方か?という観点で調査・検証しました。
「アボカド」と「アボガド」正しい呼び方はどっち?
検索エンジン(Google)での検索状況の推移
冒頭で紹介したとおり、Google(グーグル)などの検索エンジンで『アボカド』と『アボガド』の両方を検索した場合、両方が検索エンジンにヒットします。
その検索結果の件数を比較すると、以下のような状況です。(2017年8月時点)
- 『アボカド』の検索結果:約 19,000,000(件)
- 『アボガド』の検索結果:約 2,530,000(件)
上記を見ると、『アボカド』の検索結果の方がおよそ7.5倍多く、優勢であることは分かります。
では、一体いつからこのような状況になっているのか?
次は、検索エンジンGoogleが提供する、検索ボリュームの推移を調査するツール「Google Trends(グーグルトレンド)」を使用して確認してみます。
以下の画像は、確認範囲を、2004年から現在の期間で設定し、『アボカド』と『アボガド』のキーワードの検索ボリュームを比較した結果です。
画像:Googleトレンドでの検索ボリューム比較
上記の画像をみると分かりますが、2004年ごろは『アボガド』の検索ボリュームの方が多い事がわかります。
画像:2004年5月の検索ボリューム比較(アボガドが多い)
そこから数年、暫く横ばい状態が続いた後、現在では前述のとおり7.5倍差の圧倒的差がついて『アボカド』が優勢になっています。
しかし、それでも『アボガド』は検索キーワードとして使われている状況は続いています。
農林水産省の公式文書での呼び方を確認
Googleの検索ボリュームの推移をみた場合は『アボカド』が優勢だったのにもかかわらず、農林水産省の統計情報では以下のような記述になっています。
画像:農林水産物輸出入情報(平成29年1月分)から抜粋
(出典:農林水産物輸出入概況(農林水産省))
そうです。いささか驚きを隠せませんが、上記画像とおり農林水産省の統計情報では、今現在でも『アボガド』と明記されているのです。
結局、 正しい呼び方は『アボカド』と『アボガド』のうち、どちらが正解なのか。
これだけの情報ではなんともいえず、まだまだ結論が出せません。
英語発音での呼び方を確認
『アボカド』/『アボガド』を英語で表記すると、以下のような単語になります。
つづり:avocado
発音:`ævəkάːdoʊ(米国英語)
上記によると、英語での発音は、「アヴォカドゥ」という感じになるようです。
そもそも、メキシコ/中央アメリカが原産で輸入食品であるということから、正しい呼び方は、英語の発音に近いものであるべきと考えます。
Googleトレンドでの検索ボリュームの推移と、英単語としての発音からの結論として、日本語発音であっても、正しい呼び方は『アボカド』のほうに軍配が上がったと言い切ってよいでしょう。
アボカドとアボガドの呼び方違いの理由を考察
ここで、最後の疑問が残ります。
英語の発音と照らし合わせて近いのは『アボカド』という呼び方のはずですが、『アボガド』という呼び方は、どういった理由で広まったのか?
しかも、農林水産省という日本政府の公的機関の表記として、今現在でも使用されているという状況です。
<考えられる理由1>
そもそも、農林水産省がはじめに『アボガド』と間違えたため、輸入業者や、農業関係者、食品流通業者などを通じて広まってしまった。
※農林水産省は、過去の資料を修正する手間を考えて、あえて今現在も『アボガド』で押し通している?
<考えられる理由2>
『アボカド』と聴いたにもかかわらず、『アボガドロ定数』という単語を連想してしまい、『アボガド』と覚えて違いをしまった人々がいて、その人らを中心に広まってしまった、という説がある。
アボガドロ定数:科学の分野で使用される定数のこと。イタリア出身の化学者、アメデオ・アヴォガドロにちなんで名付けられた。
<考察の結論>
『アボガド』という発音自体は、前述の『アボガドロ定数』での聞き覚えのある発音と、そのいい易さがあるのは否めないと感じます。
例えば、誰も正しい呼び方の根拠を知らない状況で、『アボカド』と『アボガド』どっちの呼び方が呼び易いかときかれれば『アボガド』と答えてしまう人は少なからずいるのではないかと考えます。
『アボガドロ定数』による影響説はジョークのような話として否定されがちですが、実は、あながち日本人の感性から外れてないかもしれません。
聞き覚えの有る単語と、呼びやすさが相まって、『アボガド』という呼び方が、一時的にしろ広まったのではないでしょうか。
まとめ
『アボカド』と『アボガド』は、一体どちらが正しい呼び方なのか。
そして2つの呼び方が現在まで混在し、使用され続けている状況はどういった理由があったのか、という観点で調査および考察をした結果をまとめると、以下のようになります。
- Googleトレンドの検索ボリュームの推移から、現在は『アボカド』が主流である。
- ただし農林水産省では今現在でも『アボガド』としている。
- 英単語のつづり/発音にあわせるなら『アボカド』とするべきである。
- 『アボガド』の呼び方が広まった理由は『呼びやすさ』が影響していると考察。
結局のところ、正解を断定できる材料は今現在では確認できないため、推測の域をでていませんが、あながち外れていないのではと思っています。
いかがでしょうか?
それでは、本記事を最後までお読み頂き、有難うございました。
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